可能性を捨てると、人は前に進める
人は可能性を取っておきたい生き物だと思う。
例えば、小説が好きで読書量も豊富な人が、
芸人の又吉みたいに、自分も小説を書いて、賞を受賞して、
文壇デビューできる日が、いつか来ると信じているように。
でもその“いつか”は、いつ訪れるのだろうか。
まず、小説を書き上げなければその“いつか”は一生訪れないのだが、
それすらもしない人が多いという事実。
だから、頑張って小説をひとつ書き上げることに大きな意味があるのだと思う。
やり遂げなければ、見えない景色というのがある。
原稿用紙200枚近くを書いて、それが結果的に拙い作品になっても、
「ああ自分はこの程度のレベルなんだ」ということを
認識し、自分を納得させてあげられる。
そこで諦めてもいいし、
いやいや次こそはもっと良い作品を書こう!とモチベーションが高まってもいい。
やり遂げることで、次の選択肢が初めて見えてくるのだ。
つまり前に進める。
これが、ずーっとやらないまま、
俺はいい小説が書けるんだと思っているほど、
たちの悪いことはない。
成長しないどころか、“いつか”という可能性にしがみついて、
人の批判ばかりが上手になってしまう。