いい日もわるい日も、幸せな一日だ

ワンランク上のおっさんをめざす、アラサーコピーライターの日記

猫の見ている世界

猫はかわいそうだと思った。

 

実家の猫はいつも寝てばっかりで、ほとんど家からでない。

 

そんな猫を見ていて、ふと、かわいそうになった。

 

こいつは日本はもちろん大都会東京も見ることなく、

 

田舎の半径1キロ未満の小さな世界しか知らないで死んで行くんだ。

 

そんなことを、昔付き合っていた彼女に話すと、

 

彼女は遮るかのように語り出した。

 

「キミんちの猫ちゃんは、全部知ってるんだって。

 

東京のことも日本のことも、そして世界中のことも。

 

ぜんぶ知った上で、ずっーと寝ているの。

 

ひなたぼっこしたり、こたつでまるまったり。

 

人間って、なんて欲張りで、強情で、

 

どこへ行ったって人間関係がわずらわしくて、

 

いやになっちゃうなんて思いながら。

 

そんな世界なら 

 

ずっとごろごろしていた方がましだって悟ってるんだよ」と。

 

 

ぼくは、その通りだとおもって、なにも言えなかった。