僕の記憶力は悪いのだろうか。
お笑い芸人のエピソードトークなんかを聞いていると
感心することがある。それは、フリを作って伏線をはって、
そしてオチへともっていく話術はもちろんだけれど、
それ以上にここで感心事にあげているのは、芸人さんの「記憶力」である。
エピソードトークは基本的に過去の事実にもとづいて話されている。
芸人さんが実際に体験したことだ。
大好きだったのだけれど、そこで繰り広げられる二人の
小学校や中学校時代の話は、聞いているだけで、
登場する同級生の顔や町並みが浮かんでくる。
よくもまあそんなに当時のエピソードを覚えているなあと尊敬すると
同時に、いかに自分は、昔の記憶力がないんだと自分にがっかりする。
幼稚園の頃の初恋のことを、小学校の遠足のことを、
中学での部活動でのことを、もっともっと鮮やかに覚えていたら
どんなに楽しいんだろうと思うのだ。
さらに、クリエイティブの仕事はどこか過去の記憶を引っ張りだして
きてアイデアを導きだす部分が往々にしてあるので、
ないものねだりなのだけど、今、ほしいものを聞かれたら「記憶力」が
ほしいと答えるだろう。
ただ、昔のことをあんまり覚えていないのには自分にも原因がある気が
していて、それは、定期的に、しっかりと思い出す時間をつくってない
からなのだと思う。「放送室」の話に戻ると、MCの二人はエピソードを
披露するために、きっと思い出す作業もしているはずなのだ。そして、
様々な番組やインタビューでそのエピソードを披露しているうちに、
その記憶が鮮やかに蘇り、確かに自分の記憶に定着されるのだろう。
時には昔を振り返る。これも大事なことなのかもしれない。
そういえばどこかで、昔話をすると脳が老けないみたいなことを言って
いたなあ。